消えた500億円と仮想通貨の十字路 マウントゴックス事件(2011年〜2014年)
2014年、東京に拠点を置くビットコイン取引所マウントゴックスで、約85万ビットコイン(当時の価格で約500億円相当)が突如消失する事件が発生した。世界のビットコイン取引の約7割を担っていた同社は、数年にわたる外部からの不正送金や、「トランザクション可変性」と呼ばれる仕組みの脆弱性の悪用、さらに杜撰な資産管理によって、危機を未然に防ぐことができなかった。
被害は世界中の利用者に及び、ビットコイン価格は大きく下落。事件は仮想通貨そのものへの信頼を揺るがし、日本政府は資金決済法を改正して規制を強化した。事件を通じて、技術革新の裏に潜むリスクと、信用という不可視の基盤の脆さが露わになった。
その後、ビットコイン価格は上昇し、破産手続きから民事再生手続きへの変更が認められ、2023年以降、被害者への返済が始まっている。マウントゴックス事件は、仮想通貨という夢と現実の交差点に立たされた人類の物語として、今もなお語り継がれている。
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