黒潮に沈む楽園の涙 – モーリシャス沖「WAKASHIO」座礁事故と賠償制度の課題(2020年7月)
2020年7月25日、モーリシャス沖でパナマ船籍の大型貨物船「WAKASHIO」が座礁し、約1000トンの燃料油が流出。サンゴ礁や海洋生態系に深刻な被害を与えた。船体はその後分断され、完全な回収は困難を極めた。
貨物船による油流出事故にはバンカー条約が適用されるが、石油タンカー向けの国際油濁補償基金(IOPCF)に比べ、補償額の上限が低く、十分な賠償が受けられないという問題が浮上した。船主の長鋪汽船や傭船者の商船三井の責任が問われたが、現行の制度では補償額に限界があるため、モーリシャス政府は追加的な賠償を求めている。
この事故を契機に、貨物船による油流出事故の賠償枠組み強化や、新たな国際基金の設立が求められている。
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