清らかな一滴を守る使命 – ネスレの環境保護戦略 - 2025年3月

清らかな一滴を守る使命 – ネスレの環境保護戦略 - 2025年3月

スイスのネスレグループは、ナチュラルミネラルウォーターの品質維持と環境保護の両立を目指し、2020年代に入ってからも積極的な取り組みを展開している。持続可能な水資源管理、気候変動対策、プラスチック削減、地域社会との連携といった多方面の施策を進めながら、環境負荷の低減を図っている。

水循環再生プロジェクトへの投資
2021年、ネスレ・ウォーターズは、2025年までに世界各地で水循環再生プロジェクトに1億2000万スイスフラン（約144億円）を投資する計画を発表した。これにより、48の地域で合計100のプロジェクトを支援し、水資源の持続可能な利用を推進している。これには、地下水涵養の強化や、地域住民と協力した水管理の改善が含まれている。

気候変動対策への巨額投資
ネスレは、気候変動対策として、今後5年間で32億スイスフラン（約3740億円）を投資する計画を発表。この資金の一部は、農家やサプライヤーの環境再生型農業への転換支援や、今後10年間で2億本の植樹を進めるために活用される。

プラスチック使用削減と再生可能エネルギー
ネスレは、2025年までにバージンプラスチックの使用を3分の1削減し、全製品の包装を再利用可能もしくはリサイクル可能なものに転換する目標を掲げている。また、すべての事業所での電力を100パーセント再生可能エネルギーに切り替える計画を進行中。

環境保護活動の透明性と地域連携
環境保護活動の透明性を確保するため、ネスレは世界資源研究所（WRI）のガイドライン「容積測定水ベネフィット会計（VWBA）」に準拠した評価を実施。さらに、地域社会と連携した環境保護活動を進めており、ネスレ日本は2019年から「須磨ユニバーサルビーチプロジェクト」と協力し、ビーチクリーン活動を実施している。

持続可能な農業と森林保護
ネスレは、2030年までに主要原材料の50パーセントを再生農業を実践する生産者から調達することを目指している。さらに、同年までに2億本の植樹を計画し、森林破壊ゼロを達成する方針を掲げている。

フランスでの環境規制違反と対応
2024年、ネスレ・ウォーターズはフランスでの違法な水掘削および無許可の水処理により、200万ユーロの罰金を科された。同社は違反を認め、無許可の処理を停止することを表明。さらに、地元の河川の環境修復計画に110万ユーロを投資することを約束した。

関連情報
- 水循環再生プロジェクト
- 気候変動対策投資
- プラスチック削減と再生可能エネルギー
- 環境保護の透明性（WRI）
- ネスレ日本のビーチクリーン活動
- 森林保護と持続可能な農業
- フランスでの環境違反と対応