Friday, April 11, 2025

米国から中国貴嶼市への電子廃棄物輸出問題 - 2007年5月

米国から中国貴嶼市への電子廃棄物輸出問題 - 2007年5月

米国の環境NGO「バーゼル・アクション・ネットワーク(BAN)」の報告によると、米国内で廃棄されるパソコンの約80%がアジアに輸出され、その約90%が中国に流入しています。特に、広東省貴嶼(グイユー)市は、電子廃棄物処理が集中する地域であり、深刻な環境汚染が問題となっています。廃棄パソコンの解体作業で取り除かれる鉛(Pb)は基板から直接分離され、カドミウム(Cd)や水銀(Hg)が不適切な方法で処理されるため、土壌中の鉛濃度が安全基準の10倍以上に達することもあり、近隣の水質調査では高濃度の重金属が検出されています。

具体的には、米国内の電子廃棄物の年間発生量は約5億台に上り、これにより約7000000キログラムの鉛と1320000キログラムのカドミウムが排出されると予測されています。これにより、グイユー市では周辺住民、とりわけ子どもたちの血中鉛濃度が基準値を大幅に超過し、健康被害が著しく懸念されています。米国はバーゼル条約を未批准の唯一のOECD加盟国であり、国際的な電子廃棄物規制が及ばないため、この問題は今後も継続的な対策が求められます。

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