木の命を燃料に変えて──酵母が導くバイオエネルギーの未来(2009年1月)
独立行政法人酒類総合研究所(広島県東広島市)は木質バイオマスからバイオディーゼル燃料(BDF)を効率よく精製する新たな技術を開発している。従来は糖質への変換が課題だったが本研究では焼酎製造で使われる酵素を用いて糖質を抽出しそれを油脂生産蓄積酵母によってBDFへと変換する工程を実現した。
理論上では原料100グラムから約34グラムのBDFが得られる。この取り組みは2009年度から企業も研究に参加し変換速度や収率の向上といった課題の解決に向けて進められている。未利用の木質バイオマスを高効率に再生可能エネルギーへと転換するこの技術は地域資源の循環利用と燃料自給の可能性を広げるものである。
またこの技術の社会実装は災害時のエネルギー確保や持続可能な社会の基盤づくりにもつながる。酒類総合研究所の挑戦はエネルギーの地産地消と環境負荷の軽減を両立させる未来を確かに照らし始めている。
関連情報源
1. 酒類総合研究所による酵母活用技術の概要
2. NEDOとの共同研究成果報告書
3. 学術論文(J-STAGE掲載):油脂生産酵母による木質バイオマス変換技術の研究分析
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