1950年代 東京山谷と大阪飛田新地 赤線地帯の灯火と昭和の影

1950年代 東京山谷と大阪飛田新地 赤線地帯の灯火と昭和の影

戦後の混乱期、都市の片隅に生きるための苦悩があふれていました。山谷や飛田新地の赤線地帯は、娼婦たちが光と影の狭間で生きる場所。進駐軍の兵士を相手にする「パンパン」と呼ばれる女性たちは、荒廃した街を歩きながらも、家族を支えるために必死でした。赤線の地で灯る灯火は、ただの欲望の象徴ではなく、地域経済を支える命の明かりでもありました。

1956年、売春防止法が成立し、公娼制度は廃止されますが、それは女性たちの葛藤や差別を終わらせるものではありませんでした。非合法の世界で活動を続ける中でも、彼女たちは生活の糧を求めて生き抜きました。その影は、昭和という時代が抱える矛盾を映し出しています。