Sunday, August 24, 2025

上海市・天津市 - 海水淡水化施設と廃棄物の適正管理 - 2006年11月から2024年の現状まで

上海市・天津市 - 海水淡水化施設と廃棄物の適正管理 - 2006年11月から2024年の現状まで

2006年、中国沿岸部の都市、特に上海市や天津市では急速な都市化と人口増加に伴う水不足が深刻な問題となり、海水淡水化施設の建設が進められました。上海の企業「上海淡水化技術有限公司」が運営する施設では、海水を淡水化する過程で塩分やカルシウム、マグネシウムといったミネラルを高濃度に含む廃液(ブライン)が排出されます。この濃縮水がそのまま海洋に放出されると海洋生態系に悪影響を与える可能性があるため、塩分濃度や有害物質の管理基準を徹底し、環境への負荷を抑える取り組みが行われました。2006年の段階では、施設で発生するブラインの一部をセメント工場や化学肥料製造の原料として利用する試みが開始され、天津市では年間10万トンの濃縮水が再利用されることで、持続可能な廃棄物管理に向け�
�基盤が築かれました。

2020年代に入ると、中国全土で海水淡水化施設がさらに増加し、2020年末時点で135件の海水淡水化プロジェクトが稼働、1日あたりの総処理能力は約165万トンに達しました。政府の規制も強化され、ブラインの排出基準が厳格化されました。例えば、上海市の「上海淡水化技術有限公司」は年間約10万トンのブラインを処理し、塩化ナトリウムやマグネシウムなどの有価物質を抽出して化学工業の原料として供給しています。また、エネルギー効率の向上と再生可能エネルギーの導入も進められ、天津市の施設では太陽光発電により年間のエネルギー消費が約15パーセント削減されています。

このように、中国沿岸部の海水淡水化施設では、環境保護と水資源の持続可能な利用の両立が追求されており、環境負荷の低減や廃棄物の再利用といった取り組みが年々進化しています。

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