Wednesday, August 27, 2025

環境 炎暑の世紀を渡る都市―五十度の地図と老いる北、移動がかたちづくる世界 2019–2025年。

環境 炎暑の世紀を渡る都市―五十度の地図と老いる北、移動がかたちづくる世界 2019–2025年。

地球温暖化は加速し、二〇二四年は観測史上最暖となった。五十度級の猛暑や干ばつ、高潮がグローバルサウスを直撃し、農と水の基盤を揺るがす。一方で北半球の先進国は平均気温上昇が比較的緩やかでも、高齢化と労働力不足が進み、適応投資の担い手が細る。海面上昇は加速し、低地の沿岸や三角州は越水と塩害に追われる。都市は耐熱・節水・冷却を前提に、建物、電力網、働き方、公共空間を組み替える必要がある。沿岸では撤退と再配置、内陸では受け皿都市の整備が現実策となる。移住は例外ではなく、二一世紀の構造要因であり、住宅、雇用、交通、水と冷却の安全網、そして公正な制度設計が成否を分ける。環境危機への適応と人的移動の正面設計を両輪とする新しい都市計画こそが、実質的な安全地帯である。

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