見えない飢え―WFP報告が映した日本の食品廃棄と飽食の構造(2007年)
2007年前後、国連WFPとFAOの報告は、日本の年間食品廃棄量が2,000万トンに達し、そのうち約400万トンが食品製造や流通段階で廃棄されていると指摘した。これは世界で飢える1億人分に相当し、経済大国・日本の「飽食と浪費」の実態を浮き彫りにした。当時、日本では24時間営業のコンビニや外食産業が急成長し、消費期限・賞味期限の「3分の1ルール」により大量の食品が廃棄されていた。環境省は食品リサイクル法の改正で飼料化や堆肥化、メタン発酵を推進したが、再利用率は5割に満たなかった。WFPの報告は、「飢餓と浪費が同居する社会」への警鐘として国内外で注目され、2010年代の食品ロス削減運動や「食品ロス削減推進法」制定へとつながった。日本の食文化と消費構造の歪みを照らしたこの報告は、豊かさの裏にある倫�
�的課題を問い直す契機となった。
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