風を抱く魂の深層-持続がひらく宗教と道徳の源泉(1890年代)ベルクソン「時間と自由」
ベルクソンは時間経験の二層構造を通して宗教性や道徳性の源泉を説明した。外的で均質化された時間は社会秩序を支えるが宗教的感受性や道徳的行為の核となるのは内的な純粋持続であり記憶感情価値観経験が溶け合って人格全体を形成する流れである。自由行為はこの持続の深層から立ち上がり外的因果の結果ではなく人格全体が凝縮して開く質的飛躍として現れる。したがって自由行為は道徳的決断の中核をなし単なる規範遵守ではなく自らの存在全体を引き受け世界と関わる創造的行為となる。また宗教的態度も制度や儀礼の外側にある持続の統一感や世界との深い連続感に支えられ人格の成熟が特定の意味感覚や献身性を生むとされる。現代の宗教学倫理学神経科学でも道徳判断が共感物語的自己長期的自己像など多層的経
験の統合によって生じることが示唆されベルクソンの洞察と響き合う。自由宗教道徳は外から与えられた枠ではなく内なる持続が成熟して立ち上がる創造的連続として理解される。
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