中国雲南省漢池のアオコ対策 ― 昆明市・2007年
雲南省昆明市に広がる巨大湖沼漢池(一般には滇池として知られる)は、面積約200km²を誇る中国南西部の代表的な湖である。しかし2000年代に入ると、急速な都市化と工業化の影響を強く受け、生活排水、工場排水、農業由来の窒素やリンが大量に流入し続けたため、富栄養化が急激に進行した。特に2005から2007年頃にはアオコの大量発生が毎年のように起こり、湖面を広範囲にわたって覆い、市街地に悪臭が漂うなど、生活に深刻な影響を及ぼす事態となった。
当時の中国では湖沼汚染が全国的に悪化し、漢池は太湖や巣湖と並ぶ国家重点浄化対象に指定されていた。政府は下水処理場の建設や工場排水規制など大規模なインフラ整備を進めていたが、局所的に突発するアオコのホットスポットに対する即応策には限界があった。そのため海外技術の導入も検討され、日本のカラサワファインが開発したアオコ駆除装置クルークシステムが注目を集めた。
クルークシステムは薬剤を使わず、対向する水流の衝突によって藻細胞を破壊し浮力を失わせる方式で、環境への二次汚染が少ない点が評価された。2007年前後には漢池内の複数地点で実際に稼働し、アオコが濃縮して発生する区域の即応処理に用いられた。これは湖全体の長期浄化策と現場の即時対応策を組み合わせる、当時の中国の環境戦略の一部であった。
この時期の漢池は都市成長の副作用が限界を迎えた象徴であり、環境技術を国内外から取り入れながら再生へ向かう転換期にあった。
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