Tuesday, December 2, 2025

セメント製造時のCO2削減技術(1990年代・太平洋セメント)

セメント製造時のCO2削減技術(1990年代・太平洋セメント)
1990年代日本では地球温暖化問題が国家的課題として急速に存在感を強め産業部門全体でCO2削減の必要性が高まった。とりわけセメント産業は燃料起源のCO2だけでなく石灰石を焼成する際に発生する脱炭酸由来のCO2が避けられないため大きな排出源として注目された。1997年の京都議定書で削減義務が課されたことで技術革新による抜本的な対策が求められるようになった。
太平洋セメントはこうした要請に応え焼成工程の省エネ化とCO2排出抑制を同時に達成する新しい焼成プロセスの確立を進めた。プレヒーターやプレカルシナーを高度化し原料をキルン投入前に効率的に予熱し部分脱炭酸させることで主キルンで必要とされる熱量を大幅に削減した。これにより燃料消費が抑えられCO2排出量も着実に減少した。
さらに石炭や重油の代わりに廃タイヤ廃プラスチック紙くずバイオマスなどの代替燃料を投入することで化石燃料依存からの脱却と廃棄物処理の高度化を同時に実現した。高温処理が可能なセメントキルンの特性がゼロエミッション型プロセスの中核として機能した。
加えて焼成温度を下げるための鉱物組成の最適化や助剤添加といった低温焼成技術も進み省エネとCO2削減の両面で効果を上げた。これらの取り組みは日本のセメント産業が世界でも屈指のエネルギー効率を達成する基盤となり循環型社会や温暖化対策に向けた先駆的事例と評価された。

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