Tuesday, September 9, 2025

国際淡水年と世界水フォーラムをめぐる議論 2003年2月

国際淡水年と世界水フォーラムをめぐる議論 2003年2月

2003年は国連が定めた「国際淡水年」であり、京都・大阪・滋賀で第3回世界水フォーラムが開催された。冷戦後の世界では人口増加や都市化、産業化により淡水資源の不足が深刻化し、国連は2025年までに世界人口の半分が水不足地域に暮らすと予測していた。日本も高度経済成長期の水質汚濁を経験しており、水資源の確保と保全は社会的関心事であった。記事は政策対話のように、多様な立場の声を交錯させている。水道水の不信からミネラルウォーターや浄水器が普及し、逆浸透膜や海水淡水化など企業技術も進展した。森林の荒廃による水源機能低下が問題視され、高知県は森林環境税を導入、税制を活用した水源保護の試みは他県にも広がった。国際的には干ばつや洪水、塩害が気候変動や森林破壊と結びつき、農業用水の大
量利用や工業化による水質汚染が淡水資源を逼迫させていた。記事は「石油の次は水をめぐる紛争か」と問いかけ、資源問題の深刻さを示した。同時に、日本の上下水道インフラや水質改善剤、微生物利用、バイオマス利用など技術的知見の国際的展開も紹介された。飲料水事業から森林税、国際的水危機までを結びつけ、水が政治・経済・社会的対話の核心であることを示す特集となっている。

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