2024年8月19日月曜日

北九州市エコタウン計画の詳細 - 1999年1月



- 背景:
- 北九州市は、20世紀中盤(1950年代~1970年代)に国内有数の工業都市として発展するも、深刻な産業公害に直面しました。しかし、市民・産業界・行政・学術機関が一体となって公害を克服。

- エコタウン事業の始動:
- 1997年に通商産業省の「エコタウン事業」に認定され、環境産業の発展に向けた取り組みが本格化しました。

- 環境産業推進計画:
- 1998年に「北九州市環境産業推進会議」が設立され、「北九州エコタウンプラン実施計画」を策定しました。
- 計画は以下の三本柱で構成されています:
1. 技術開発・実証研究施設の整備
- 若松区響灘地区は、北九州市のエコタウン事業の中心的な役割を果たす地域で、環境産業を推進するための拠点として整備が進められています。この地区では、企業と連携した技術開発が活発に行われています。例えば、リサイクル技術の開発や実証実験を通じて、産業廃棄物の再資源化を促進する企業が多数存在しています。
2. リサイクル産業の振興
- 響灘地区では、国内外の廃棄物を効率的に処理・再資源化するために、複数のリサイクル企業が集積しています。これらの企業は、最新のリサイクル技術を導入しており、持続可能な資源循環型社会の実現に貢献しています。
- 主な企業として、エコマテリアル株式会社や北九州リサイクル株式会社などが挙げられ、これらの企業は、産業廃棄物からの資源回収や再生資源の市場提供において重要な役割を担っています。
3. 国際協力の推進
- 響灘地区の企業や施設を活用し、国際的な環境技術の移転や研修が行われています。これにより、地域の企業は国際市場においても競争力を高めています。

- 技術開発・研究基盤:
- 若松区響灘地区での技術開発・実証研究が行われており、企業と学術機関が連携して新技術の開発に取り組んでいます。特に、リサイクルプロセスの効率化や、環境負荷の低減を目指した新しい技術の実証が行われています。企業は、これらの技術を市場に投入することで、持続可能な産業発展に寄与しています。

- 国際協力:
- 北九州国際技術協力協会(KITA)を中心に、環境技術の移転、共同研究、技術研修を実施しています。響灘地区に拠点を置く企業も、国際的な協力プロジェクトに積極的に参加しており、特に開発途上国向けの技術移転や研修プログラムにおいて重要な役割を果たしています。

- 成果と評価:
- これらの取り組みにより、北九州市は環境産業の先進都市として国内外で高く評価されており、持続可能な経済発展のモデルケースとしての地位を確立しています。特に、響灘地区に拠点を置く企業の活動は、地域の環境技術の発展に大きく貢献しています。

- 環境マネジメントの推進:
- 北九州市では、ISO14001の取得を推進し、市内企業や公共機関において環境保全活動を強化する取り組みが進められています。企業の多くは、この環境マネジメントシステムを導入しており、環境意識の向上と実効性のある環境保全活動が展開されています。



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