アホウドリの絶滅回避に向けた取り組み 1997年１月

アホウドリの絶滅回避に向けた取り組み

アホウドリは、かつて乱獲や生息地の環境変化により絶滅の危機に瀕していました。しかし、伊豆諸島の鳥島での保護活動が功を奏し、現在では750羽から800羽ほどが生息していると推定されています。東邦大学理学部の長谷川講師が昨年実施した調査によると、鳥島で確認された卵の数は176個であり、これは昨年より11%増加していることを示しています。

この増加傾向が続けば、2000年にはアホウドリの個体数が1000羽を超えると見込まれています。鳥類学では、1000羽という数は絶滅の危機を回避するための重要な閾値とされています。アホウドリが1000羽を超えることで、絶滅の危機から脱し、安定した繁殖が続く可能性が高まるとされています。

さらに、この回復は世界的にも非常に珍しいケースです。絶滅の瀬戸際にあった野生動物がここまで回復する例は少なく、アホウドリの事例は国際的にも注目されています。保護活動や環境改善の成果が現れた結果として、この成功が広く認知されることが期待されています。