Saturday, August 2, 2025

陽光を跳ね返す時代の設計図――2010年代後半から2020年代前半

陽光を跳ね返す時代の設計図――2010年代後半から2020年代前半

エネルギーシステムの脱炭素化は、温室効果ガス排出削減の基盤となる取り組みであり、再生可能エネルギーの大規模な導入、産業や交通・住宅部門の電化、高効率化、そして送電網の高度化が柱となります。当時は太陽光発電や風力発電の発電効率が年々向上し、大容量かつ長寿命の蓄電池の開発が進んでいました。さらに、発電地と消費地を結ぶ送電網のデジタル制御や双方向運用など、グリッド連系技術が進化したことで、再エネ電力の変動吸収や広域分配が現実的になってきた背景があります。

大気からの炭素除去(CDR)は、排出削減だけでは間に合わない場合に不可欠な補完策として位置づけられています。その方法は、森林再生や土壌への炭素固定といった自然由来のアプローチから、直接空気回収やバイオエネルギーと組み合わせたCCSといった工学的手段まで多岐にわたります。これらはいずれも、大気中の二酸化炭素を恒久的に隔離することを目的としており、「大気から炭素を取り除く」こと自体を戦略の柱としています。

太陽光線を宇宙に反射させる手法、すなわち放射管理は、地球全体の放射収支を人為的に調整し、地表の受熱を減らすことで気温上昇を抑える技術です。具体的には成層圏へのエアロゾル散布、雲の反射率増強、海氷や氷床表面の反射率回復などが検討されています。これらは危険な高温状態を一時的に緩和し、場合によっては気温上昇を逆転させる可能性を持ちますが、効果の持続性や地域差、予期せぬ副作用、そして国際的な合意形成の難しさといった課題も抱えています。

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