水と神が語り合う場所―日本列島の水神信仰の風景(1950年代から1970年代)
沖縄本島南部の南城市垣花樋川に見られる水神信仰は、日本列島における自然信仰の多様性を象徴するものである。沖縄では山の神信仰が希薄で、代わって湧水や泉に霊的な力が宿るとされ、竜神や水神が祀られる。垣花集落では山頂にあるグスクに新生児誕生を報告する風習が今も続く。本土のように祖霊が山に宿るという考えではなく、水そのものに霊威が認められるのが特徴である。このような信仰は、東北地方、伊豆、京都の鴨川流域など各地にも見られ、農耕儀礼と密接に結びつき、地域ごとに独自の神観や祈りの形を形成している。それらは自然環境と人々の暮らしが密接に関係し合う中で生まれた文化的営みであり、環境民俗学の視点からも重要な意味を持つ。水と神が結びつく風景は、時代を超えて語り継がれてきた
日本人の自然観を浮かび上がらせている。
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