Friday, October 17, 2025

森と人をつなぐ手 ― 北杜市の間伐材再生プロジェクト(2007年)

森と人をつなぐ手 ― 北杜市の間伐材再生プロジェクト(2007年)

2007年前後、日本の林業は輸入材の増加により深刻な衰退期にあった。伐採後の間伐材が放置され、山林の荒廃や土砂災害の要因となるなか、山梨県北杜市は地域主導で間伐材の有効利用を進める新制度を導入した。森林所有者と木工職人などの利用者を登録制で結び、放置材を再利用する仕組みを確立したのである。これにより、廃棄・燃料として扱われてきた木材が、再び家具や建築素材として活用され、地域経済と文化の双方に新たな息吹をもたらした。

この動きは、京都議定書に基づく温室効果ガス削減や、林野庁による「木づかい運動」「森林・林業再生プラン」といった政策の潮流とも連動していた。都市文化と山村の森林を結ぶ「木の循環」は、CO₂吸収源対策としても注目を集め、地域から始まる環境再生モデルとして評価された。さらに、森林環境税や森林環境譲与税を活用する後年の仕組みの原型にもなり、北杜市の試みは単なる資源再利用を超えて、地域社会と自然の共生を目指す先駆的な実践として位置づけられる。

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