中国・長江流域の汚染進行(中国)―2006年9月
2006年当時、中国の長江流域では急速な工業化と都市化に伴い、水質汚染が深刻化していた。特に工場排水や農薬の流入が問題で、化学的酸素要求量やアンモニア窒素濃度が基準を超える地点が多数確認され、淡水魚の激減やアオコの大量発生といった生態系の異変が広がっていた。上海や武漢など下流の主要都市では、取水制限や断水が発生し、生活環境への直接的な影響も無視できなかった。アオコの発生は視覚的にも悪化を印象づけ、ペットボトル水の需要が急増し、住民の不安を増幅させた。当時の中国政府は、国家環境保護総局を通じて水質基準の見直しや総合保護計画を進めようとしていたが、地方政府の経済優先姿勢や企業との癒着、環境監視体制の弱さが課題として立ちはだかっていた。長江の水質悪化は、単なる自�
�破壊にとどまらず、経済成長と環境保全の両立という国家的課題を浮き彫りにする象徴的な事例となった。
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