Monday, June 30, 2025

制裁下の裏口資金調達術――中国丹東の北朝鮮企業群(2016年)

制裁下の裏口資金調達術――中国丹東の北朝鮮企業群(2016年)

2016年、北朝鮮が国連安保理による過去最厳の制裁決議(第2270号)を受けた直後、中国国境の街・丹東は"制裁逃れ"の最前線となっていた。北朝鮮と鴨緑江を隔てて向かい合うこの都市では、「丹東洪祥貿易有限公司」や「丹東市冠能貿易有限公司」など、中国名義の"北朝鮮系企業"が同一ビル内に密集し、実態なきまま登記・存在し続けていた。廃墟同然の建物に人の気配はなく、ドアに残された「朝鮮貿易会社」の札だけがその痕跡を示していた。これらは名義貸しによる"ペーパーカンパニー"であり、実際には金融送金や輸出入取引の中継点として利用されたと見られる。同年、米国は「丹東鴻祥実業発展有限公司」を制裁対象に指定。北朝鮮の兵器関連資金の流れに関与したとして名指しされたが、直後に代表者は消息�
��絶った。丹東はまさに、制裁の網をかいくぐる"裏経済"の要所であり、北朝鮮が外交と経済封鎖の間隙を突いて、国家として執拗に資金確保を図っていた現場だった。

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