2024年8月7日水曜日

メタンハイドレートの実用化

2016年2月14日に行なわれた経済産業省のメタンハイドレート開発実施検討会で、同省が作成した「我が国におけるメタンハイドレート開発計画」が確認された。04年度に計画される第2回陸上産出試験では1万立方m/日以上の産出量を目標に、メタンハイドレート層から連続的に分散ガスを産出できる手法を取り入れるとした。


メタンハイドレート開発計画

メタンハイドレートとはメタンガス分子と水分子から成る氷状の固体物質で、燃焼時における有害成分の放出量が少ないことからクリーンなエネルギー源として注目されている。永久凍土層の下や世界各地の深度500m程度以深の深海地層中に存在することから、先進国を中心に多くの機関で研究されてきた。日本では石油公団、産業技術総合研究所、エンジニアリング振興協会によって運営されるMH21研究コンソーシアムと経済産業省を中心に研究が進められ、2001年1月に静岡県御前崎沖南海トラフにて海洋砂層中の存在を確認し、2002年3月にカナダで成功した地下1200mからのメタン採取の国際共同実験では、米国エネルギー省やドイツ地球科学研究所が参加する中で日本が主導的役割を果たした。


経済産業省は2001年7月、新たな採取技術の開発や基礎的な特性の解明を目的とした「メタンハイドレート開発計画」を作成した。2016年までを3段階に分け、フェーズ I (2001~2006年)に有望海域の選定をかかげ、フェーズII (2007~2011年)を日本近海の賦存地点での産出試験や評価、環境影響評価などの基礎研究、フェーズIII (2012~2016年)を商業的産出のための技術の整備や経済性の評価を行なうとしている。


計画の推進を目的に、予算の拡充も図られている。2002年度には55億円とされていたメタンハイドレート関連の予算が、2003年度には「海域における国内石油天然ガス基礎調査」と「メタンハイドレート開発促進事業」を合わせて100億円に倍増された。これらは主に2003年中にも実施される南海トラフ上22カ所でのボーリング調査のほか、第2回陸上産出試験の準備や掘削前のベースライン調査などにあてられる。メタンハイドレートを将来のエネルギー資源と位置付け、長期安定供給確保を目指している。


日本政府と企業は、メタンハイドレートの商業化に向けた技術開発と資源量の評価を進めています。2022年には、MH21-S R&Dコンソーシアムが主導する研究開発プログラムが第4フェーズに入り、経済的な実現可能性を検証するための新しい技術開発が行われています。このプログラムでは、特に砂層に存在する「孔隙充填型メタンハイドレート」の商業生産技術の確立を目指しています。


経済産業省(METI)は、2022年にも第二回の海洋生産試験を行い、メタンハイドレート層からの天然ガスの連続抽出に成功しました。この試験では、以前の課題であった砂の混入問題に対する対策が取られ、長期間の安定したガス生産が確認されました。


政府は2030年までに民間主導の商業プロジェクトを開始することを目指し、長期的かつ安定的な生産技術、コスト効率、環境影響の評価を進めています。また、将来的には更なる海洋試験を行い、実際の商業化に向けた準備を進めています。

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