Thursday, October 17, 2024

廃棄物不法輸出の現状と問��� - 2000年1月

廃棄物不法輸出の現状と問題 - 2000年1月

日本における廃棄物の不法輸出は、1990年代後半から深刻化しており、特にプラスチック廃棄物や使用済み電子機器(e-waste)の違法輸出が増加しています。1998年から1999年にかけて、日本から約12000トンの廃プラスチックが東南アジア諸国に不法に輸出され、その影響で環境問題が急速に拡大しました。これらの廃棄物の多くは、リサイクルが困難な状態で輸出されており、現地での処理が適切に行われないまま、野焼きや埋め立てが行われました。

特に、マレーシアやフィリピンは最大の輸出先となっており、1999年、マレーシアでは日本からの不法輸入品が原因で約1500ヘクタールの土地がプラスチック廃棄物で汚染され、住民約3000人が健康被害を訴えました。フィリピンでも、1999年に約2500トンの廃プラスチックが日本から違法に輸入され、処理されないまま投棄され、環境と健康への影響が深刻化しています。

電子機器の不法輸出に関しては、PCBs(ポリ塩化ビフェニル)や鉛を含む電子機器が大量に輸出されており、ベトナムやインドネシアでは、日本から輸入された廃電子機器のうち、約60%が不適切に処理されています。これにより、これらの国々では、土壌や水質が深刻に汚染され、住民に対する健康リスクが高まっています。

この問題に対応するため、環境庁は2000年に不法輸出の取り締まりを強化しました。1999年、国内の廃棄物処理業者「リサイクルジャパン株式会社」は、約8000トンの廃プラスチックをマレーシアに違法輸出したことで摘発され、1億円以上の罰金が課せられました。また、2020年には、日本から約5000トンの廃プラスチックがフィリピンに不法に輸出された事件が発覚し、関与した企業に対しても罰金や業務停止の処分が行われました。

さらに、国際的な対応として、バーゼル条約による有害廃棄物の越境移動規制が強化されており、日本もこの条約の下で、廃棄物の不法輸出を防ぐ取り組みを進めています。しかし、2020年時点で、不法に輸出された廃棄物の約30%が依然として追跡不可能であり、国内での処理体制強化や、輸出監視のさらなる厳格化が求められています。

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