67-世界銀行「炭素基金」の設立-2000年2月-環境問題の解説
世界銀行は2000年1月18日に「炭素基金」を設立し、温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)の削減を目的とする画期的な取り組みを開始しました。この基金は、オランダ、スウェーデン、ノルウェー、日本などが主要な出資国となり、総額90億円の資金が集められています。目的は、途上国のCO2削減事業に対する融資を通じ、出資国の削減義務に反映させることです。
たとえば、インドでは石炭火力発電所の排出を削減するために再生可能エネルギーへの切り替えが検討され、中国では風力発電所の建設支援が具体的な支援先として挙げられています。さらに、ノルウェー政府は自国の排出削減目標の一環として、アフリカ諸国で植林プロジェクトを推進中です。これにより年間5000トンのCO2削減を見込んでいます。
また、日本企業もこのプロジェクトに積極的に参加しています。具体的には、三菱重工業が風力発電設備を供給し、リコーが低エネルギー型の工場運営モデルを提供することで協力しています。世界銀行はこの基金を温暖化防止の国際的な資金モデルとして推進し、将来的には年間数十万トンのCO2削減を目指しています。
No comments:
Post a Comment