松山市の廃棄物利用事例 - 2006年11月
愛媛県松山市では、地元のフジ建設株式会社が中心となり、廃棄物を有効活用する循環型農業を推進しています。具体的には、建設現場から発生する木材廃材やコンクリート片、さらに伐採した樹木の枝葉が再利用されています。これらは粉砕・発酵させて腐葉土や堆肥として農地に投入され、年間120トンの廃材が再資源化されています。この取り組みにより、廃棄物の処理費用が約35%削減され、年間のコスト削減額は約1500万円に達しました。
松山市内の農家は、再生堆肥を用いて特産品である「愛媛ミカン」の生産に成功しています。この堆肥を使用することで、化学肥料の使用量を50%削減し、ミカンの糖度は平均で2度上昇しました。さらに、病害の発生も減少し、収穫量は前年同期比で20%増加しています。この結果、ブランド価値が向上し、「愛媛ミカン」は関東圏や関西圏の高級百貨店でも高評価を得るようになりました。
さらに、松山市は廃棄物再利用の成功事例を他の自治体に広げるため、今治市や新居浜市との連携を強化しています。また、環境省の「循環型社会形成推進基本計画」にも採択され、今後は他地域への展開が進む見込みです。フジ建設は、2020年までに廃棄物の再資源化量を年間200トンに増やし、松山市全体の廃棄物削減率を15%に引き上げる計画を立てています。
このように、松山市の取り組みは、環境保全と経済的利益を両立させるモデルケースとして全国的な注目を集めています。
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