Saturday, August 2, 2025

高温の刃で断つ有機塩素――岡山県邑久郡・2000年

高温の刃で断つ有機塩素――岡山県邑久郡・2000年

1990年代末、日本では長年保管されたままのPCB(ポリ塩化ビフェニル)処理が社会的課題となっていました。PCBは変圧器やコンデンサーなどに広く使われたものの、高濃度汚染廃棄物として焼却処理が難しく、温度管理や副生成物対策の厳格化が進む中、安全に無害化する技術開発が急務でした。こうした背景のもと、岡山県邑久郡のゼネラル技研は、不活性ガス中で発生させた3000〜5000℃のプラズマ炎によりPCBなど有機塩素化合物を分解する新技術を打ち出しました。処理方式は、気化物を高温で瞬時に熱分解する方法、プラズマ化による焼却、酸素混合気体と反応させて水素などで化学分解する方法の三種に対応。短時間で分子を切断できるため、高速処理や装置の小型化が期待されました。

ゼネラル技研は、この技術を実用化するため電力会社や重機メーカーと連携し、装置化を進行。当時、PCB処理技術は光・触媒分解やアルカリ触媒によるBCD法、水素還元法などが併走しており、プラズマ法は「高温一撃」の特性とモジュール化しやすい構造から小規模分散処理に適すると注目されました。規制強化と社会的要請が高まる直前の2000年、この試みは保管主体から処理主体へと移行する端緒となり、地域発の環境技術として全国の関心を集めたのです。

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