Saturday, August 2, 2025

海に追われる人々―ダッカ・モルディブ・ツバル―2050年への漂流

海に追われる人々―ダッカ・モルディブ・ツバル―2050年への漂流

バングラデシュでは、海面上昇と暴風雨の強度化によって沿岸の浸食と冠水が進み、農地の塩害や家屋、道路の損壊が常態化していた。そのため、沿岸部や農村から首都ダッカへと人の流入が加速している。著者が訪れたダッカのスラムでは、住民全員が海岸の浸食や地下水の塩水化、汚染によって生活の持続が不可能になり、村を離れざるを得なかったと語っている。低地の島嶼国でも事情は深刻だ。モルディブやツバルでは、海岸線の後退と高潮、暴浪によるインフラ破壊に加え、海水が地中へ浸透して地下水を汚染し、土壌や植生、基礎インフラが機能不全に陥る危険が増している。こうした複合的な劣化が進めば、2050年頃までに居住が成り立たない状態へ移行する恐れがあるとされる。さらに、法制度の観点からも、海岸線�
�消失は領域や経済水域の画定に波及する難題を孕み、国そのものの存立基盤を揺るがす可能性が指摘されている。

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