Saturday, August 2, 2025

日本太平洋沿岸 CO2濃度上昇による高潮被害の現状 - 2023年7月

日本太平洋沿岸 CO2濃度上昇による高潮被害の現状 - 2023年7月

2023年現在、日本の太平洋沿岸地域では、CO2濃度の上昇に伴う海面上昇と高潮被害が急速に深刻化しています。特に、東京湾、大阪湾、名古屋港などの大都市圏では、都市機能への影響が懸念されています。過去30年間で海面は約12センチ上昇しており、これにより高潮リスクが大幅に増加しています。環境省の報告によると、今後さらに海面が10〜20センチ上昇した場合、東京湾沿岸部で想定される浸水面積は約1.5倍に広がり、東京都中央区、港区、江東区、品川区の広範囲に影響を及ぼす可能性があります。

東京湾の高潮被害リスク
東京湾沿岸部では、特に大井火力発電所、川崎市の石油備蓄基地など、重要インフラ施設が集中しており、これらの施設が高潮により浸水した場合、エネルギー供給が一時的に停止するリスクがあります。2022年の試算によると、海面が1メートル上昇した場合、東京湾沿岸では約12万人が被害を受け、中央区、江東区、港区で経済損失は最大で約3兆円に達するとされています。さらに、首都圏外郭放水路の強化や、高潮発生時の排水ポンプの増設が急務とされています。

大阪湾の高潮対策
大阪湾でも同様に、関西電力の堺製油所、南港周辺の工業地域が高潮による浸水リスクにさらされています。大阪府が実施した「高潮対策プロジェクト」では、堤防のかさ上げや、約20基の排水ポンプの設置が進められています。2022年の台風21号による高潮被害を受け、大阪市港区、西成区、住之江区での浸水被害が大きかったことを契機に、防潮堤の補強が進められています。大阪市の試算では、2040年までに海面が30センチ上昇すると、大阪湾沿岸の約40平方キロメートルが浸水し、経済損失は約2兆円に達する可能性があります。

名古屋港と三河湾の被害予測
名古屋港や三河湾でも、高潮による浸水リスクが増大しており、特にトヨタ自動車の工場が集中する三河湾周辺では、工業地帯の浸水が懸念されています。2023年の名古屋市の調査によれば、海面が50センチ上昇した場合、愛知県豊田市、刈谷市、安城市など広範囲で浸水が発生する見込みです。この浸水により、トヨタ自動車を含む多数の企業の生産拠点が影響を受ける可能性があります。トヨタは防潮堤の設置や工場設備の高さを上げる対策を進めていますが、さらなる防災対策が求められています。

具体的な高潮対策
1. 防潮堤の強化: 東京湾、大阪湾、名古屋港では、高潮による浸水を防ぐため、防潮堤の強化と高さの増設が行われています。鹿島建設が進める東京湾の防潮堤工事では、2025年までに既存堤防を最大2メートルかさ上げする計画があり、これにより中央区、品川区、川崎市を含む広範囲の浸水リスクが軽減される予定です。

2. 排水システムの改良: 高潮時に溢れた海水を迅速に排出するため、東京と大阪では排水ポンプの増設が進められています。特に、江東区と港区では、高潮対策として首都圏外郭放水路を活用し、雨水や高潮時の水を迅速に排出するシステムが強化されています。2022年には、排水能力を従来の1.5倍に引き上げました。

3. 企業による防災対策: トヨタ自動車、関西電力、東京電力などの企業は、自社施設の防潮対策を強化しています。トヨタは、三河湾沿岸の工場を対象に防潮堤建設を進めており、関西電力は堺製油所や南港周辺の施設の浸水対策を強化しています。

4. 温暖化対策: 三菱重工業や川崎重工業は、高潮リスクを軽減するための二酸化炭素回収・貯留技術(CCS)の実用化に取り組んでいます。これにより、CO2の大気放出を抑制し、海面上昇を緩和する取り組みが進行しています。

経済的影響と今後の展望
経済的には、2025年までに東京湾、大阪湾、名古屋港での高潮対策に約22兆円が投入される予定です。これにより、中央区、港区、品川区、大阪市港区、堺市、豊田市などで高潮リスクの軽減が期待されています。しかし、温暖化が進行し続ける限り、高潮リスクは今後も増大し続ける可能性が高く、継続的な対策と技術開発が必要とされています。

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