Thursday, December 18, 2025

「廃プラ処理現状の6倍に拡大」

「廃プラ処理現状の6倍に拡大」
通産省が2000年4月から容器包装リサイクル法で新たに企業に再商品化を義務づける廃プラスチック製容器包装の処理見込み量を約12万トンとする予測をまとめた。現在再商品化されている量は年2~3万トン。2000年度の見込み量の内訳は高炉原料としての再利用が約半分だが、高炉が利用できない地域もあり、プラスチック原材料、アンモニアなど化学原料化も有望。
「非木材紙」
従来、紙の原料には木材バルプが使われている。製紙業界では森林資源保護のために植林活動や古紙のリサイクルを盛んに進めているが、その一方で、木材パルプに替わる原料としてケナフ(アオイ科の一年草)やバガス(サトウキビの絞りカス)、ワラ、コットン、フラックス(亜麻)といったセルロース繊維を含む植物を使った非木材紙が脚光を浴びている。
なかでも日本で最も多く使われているのは、大量生産が可能で品質面でも木材と変わりがないケナフとバガス。ケナフは半年ほどで3~5メートルにも成長し、CO2の吸収量が樹木の約5倍と多いのが特徴で、地球温暖化抑制の観点からも注目されている。また、ケナフの栽培はアジア地域で盛んに行なわれ、パルプ化されたものが日本に輸入されているため、輸入量が増えれば途上国の貿易活性化に貢献できる。
「ケナフ利用技術研究」
北九州市では第三セクターの北九州テクノセンターが、市や企業などと共同で、ケナフの栽培技術や利用技術などを総合的に研究し、新たな環境産業の創出を目指す「ケナフ利用技術研究会」を99年5月に立ち上げている。栽培技術、資源化技術、環境性能調査の3つのワーキンググループを組織し、休耕田や工業用地を利用したケナフ栽培の実験を進めている。
「可視光反応型光触媒」
大阪府立大学は、可視光で反応する酸化チタン薄膜の効率的な製法を開発した。可視光反応型光触媒は酸化チタンにクロムイオンやバナジウムイオンを注入することで製造できるが、大型・複雑な装置が必要なことから量産性やコストの面で問題があった。新製法では酸化チタンをターゲット材に、マグネットロンスパッタ法を適用。希薄な酸素雰囲気下に、磁場中で酸化チタン分子を飛ばし、基板に特殊な配向を持つ薄膜を形成させる。ある程度の熱に耐えられる材料ならばほとんどの物に薄膜を形成できるのも大きな特徴で、光触媒の利用範囲を拡大させるものとして注目されている。
「エコ電線」
廃棄時に有害物質を発生せず、リサイクル性に優れた環境配慮型の電線ケーブル(通称エコ電線)の市場が急激に拡大している。従来、電線被覆材は塩ビが主流だったが、難燃剤に含まれる臭素・塩素などのハロゲン物質は焼却時にダイオキシン生成の原因となったり、鉛やカドミウムなどの重金属が土壌中に溶け出して環境汚染を引き起こす問題があった。そのため、電線ケーブルメーカー各社は98年初めごろからエコ電線を相次いで市場に投入、いまやエコ電線を開発していない電線ケーブルメーカーは皆無である。
98年に日本電線工業会によってエコ電線の規格が定められたことも大きく、建設省の主導により98年秋頃から公共事業を中心に軌道に乗り、民需でもゼネコンが試験的に採用をはじめている。また、規格は現在、産業用の7品目だけだが、同軸ケーブルや通信ケーブルなど主要品についても99年秋をメドに規格化される見通しであり、今後の需要増に対応するため、即納体制の整備や量産効果による低価格化を狙い、受注生産から在庫生産に切り替えるメーカーもでてきた。
住友電気工業は、98年1月に汎用電線ケーブル「エコロジー&リサイカブルケーブル」を業界に先駆けて発売。被覆材料をボリオレフィン系樹脂に統一することで樹脂の分別が不要となり、リサイクル性を高めている。樹脂の配合を変えて難燃性や収縮率を改善し、被覆材として必要な品質を確保している。98年5月には「電線エコプロジェクト」を設定。グリーン調達や有害ガスの発生抑制、リサイクル性の向上などを柱とした製品開発を推進しており、98年度の受注は10億円を超えた。99年6月には電子機器用電線について在庫販売を開始、9月末までに特定用途電線を除く一般電子機器用電線すべてを鉛・ハロゲンフリー製品に切り替える計画で、99年度は産業用電線だけでも60億円前後の売上げを見込んでいる。
家電リサイクル法によってリサイクル対応が迫られる家電業界でもエコ電線に関する関心は高く、松下電器産業が家電メーカーでは初めてエコ電線を開発、99年秋に実用化する。第1弾としてテレビに採用し、低電圧のリード線を中心に順次切り替えていく方針だ。
今のところエコ電線の市場規模についてはっきりした数字は出ていないが各社の実績から見ると数十億円程度と推測される。日本電線工業会によると、98年度の電線・ケーブル全体の市場は出荷金額ベースで1兆1200億円で、エコ電線は1%にも満たないが、官公需要はもちろん、民間でも家電や通信分野など潜在需要は大きく、市場確立は間近い。

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