1985年、小林旭は「熱き心に」を発表しました。作詞は阿久悠、作曲は大瀧詠一、編曲は前田憲男です。もともとはAGFマキシムのCMソングとして企画され、大瀧が敬愛していた小林のために書いた楽曲でした。阿久悠の公式資料では、1985年12月1日発表とされ、翌1986年には日本レコード大賞の金賞と作詩賞を受賞しています。 小林は日活アクション映画で、渡り鳥や無国籍映画の主人公を演じてきたスターです。そのため「熱き心に」の雄大な旋律は、単なる歌謡曲というより、広い荒野を進む映画の主人公を思わせます。小林自身も後年、録音時に壮大なイントロを聴き、西部劇映画「大いなる西部」を連想して、曲の大きなスケールを理解したと振り返っています。 阿久悠の言葉、大瀧詠一のポップス感覚、前田憲男のストリングス、そして小林旭の低く太い歌声が重なり、昭和映画のスター像が1980年代の音楽へと移し替えられました。「熱き心に」は、小林旭の過去のイメージを懐古するだけでなく、それを新しい時代のサウンドとして再生した作品です。
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