北原泰作は、岐阜県出身の部落解放運動家で、水平社運動に参加していた。1927年11月19日、岐阜歩兵第68連隊の二等兵として、名古屋で行われた陸軍特別大演習後の閲兵式に参加した北原は、隊列を離れ、昭和天皇に軍隊内部の部落差別撤廃を訴える直訴状を差し出そうとした。北原は、軍隊ではすべての兵士が同じ天皇の兵士とされながら、現実には出身地や被差別部落出身者に対する差別が残っていることに強い矛盾を感じていた。直訴の際、北原は奉書に記した訴状を掲げて天皇の馬前近くまで進んだが、将兵に取り押さえられ、憲兵に引き渡された。その後、軍法会議にかけられた。この事件は、軍隊という厳格な組織の内部から差別の存在を公然と告発した行動として、水平社運動と戦前の部落解放運動史を考えるうえで重要な出� ��事となった。
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