1994年8月15日-東京都・横浜市・生分解性プラスチック・IS014000-エコ環境ニュースまとめ
1. 拡大する下水汚泥のリサイクル
東京都では下水道普及率100%を達成し、汚泥の発生も増加。焼却による減容と建材化が進む中、透水性レンガやプロックの開発が活発化。特に軽量骨材や汚泥スラグの利用で、環境負荷低減と資源循環の両立を模索。
2. 下水汚泥からの紙や宝飾品製造
横浜市とNKKは汚泥から壁紙や名刺に使える再生紙を開発。東京都では溶融スラグを使ったネクタイピンとネックレスが商品化され、人気に。下水汚泥が日用品として活用される先例となっている。
3. 産業廃棄物処理場をめぐる住民運動
処理場建設に対し、地下水汚染や交通問題を懸念する住民の反対運動が続出。小田原や仙台などで許認可取消や稼働反対の座り込みが発生し、事業の進行が停滞。社会的信頼の構築が課題に。
4. ゴルフ場跡地の廃棄物処理場転用
開発失敗に終わったゴルフ場予定地を、産廃処理場へ転用する動きが報告される。許認可プロセスの類似性からの転用であるが、採算性や地域住民の合意形成の難しさが大きな壁となる。
5. 財政的裏付けと融資の問題
処理場建設には多額の投資が必要だが、担保価値の低さや住民反対により融資が難航。自治体からの開発許可が融資の前提となる一方、融資には許認可が必要という矛盾した構造が問題視されている。
6. 環境庁試算:エコビジネス市場は2010年に26兆円規模へ
1990年には5兆9600億円だった国内エコビジネス市場が、2010年には26兆円へ成長すると環境庁が予測。特に廃棄物管理や電気自動車、省エネ住宅などが成長産業として注目される。
7. 生分解性プラスチックの台頭
1990年代に入り、生分解性プラスチックの開発が進展。英ICLのバイオポール、日本のビオノーレ、ターピーなど多様な製品が登場。焼却やリサイクル適性を備え、ゴミ問題の解決策として期待されている。
8. 生分解性プラスチックの法規制と普及動向
米国やイタリアでは生分解性素材の義務付けや課税制度が導入。国内でも通産省が実用化検討委員会を設置し、導入促進へ動き出した。今後法制度の整備次第で急速な市場拡大が見込まれる。
9. IS014000シリーズと環境管理規格
ISOによる国際環境管理規格「IS014000シリーズ」の導入が進行中。欧州と日米の間で基準をめぐる論争が続く中、日本企業にとっては輸出に際し新たな「非関税障壁」となる可能性が指摘される。
10. 地方自治体と第3セクターの連携
住民対策と経営安定性の両立を目指し、自治体主導による第3セクター型の廃棄物処理事業が模索される。財団法人を活用した官民共同の枠組みにより、持続可能な運営を可能にしようとする試みが進む。
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