Wednesday, September 17, 2025

環境ビジネスの中でも、その市場の大きさから注目を集めているのがリサイクルの分野だ。

環境ビジネスの中でも、その市場の大きさから注目を集めているのがリサイクルの分野だ。
リサイクル商品の開発には大手企業や異業種などからの参入が相次いでいるが、市場を確実につかむヒット商品に育てるのはなかなか難しい。
こうした中、株式会社トップトーンでは、これまでに培った樹脂加工技術を活かして、リサイクル製品の商品化に踏み切った。
同社の榊社長にお話を伺った。
プラスチックからリサイクル素材「エコロトップ」へ。
榊さんが樹脂成型品メーカーである株式会社トップトーンを設立したのは1969年。
商社の樹脂部門勤務からの独立だった。
「64年に東京オリンピックが、70年に大阪万博が開催されるなど、人工大理石をはじめとする樹脂製品の需要が増えている時期でしたので、思い切って独立に踏み切りました」。
ポリエステルを原材料とする人工大理石と「鉄より軽く鉄より丈夫」と言われるFRPの2素材を中心に、テーブルトップやカウンタートップといった室内装飾品のオーダーメイドを手掛けてきた。
「バブル崩壊までは業績も右肩上がりで成長してきましたが、最近では新規出店する店舗数も減っています。
代わりにマンションの洗面化粧台や対面カウンターなどは増えていますが、この分野は非常に競争の激しい分野でもあります」。
厳しい状況の中、突破口を探していた同社に持ち込まれるようになったのが、産業廃棄物を素材として利用してくれないかという依頼だった。
人工大理石は、樹脂と本石と似た風合いを出すための骨材を混ぜて作られる。
例えばアルミを骨材に使うとシルバー調に、真鍮を骨材とするとゴールド調に、といった演出をするわけだが、この骨材に産業廃棄物を使ってほしいという依頼が増えてきたのだ。
94年に大手サッシメーカーからサッシの切削で出たアルミ粉が持ち込まれたのを始め、鉄、銅、鋳物、貝殻、ガラスなどの廃棄物の引き取り依頼が来るようになった。
もちろん廃棄物を出す側の目的は、処理コストの節減だ。
一方受け入れる榊さんは、「FRPを筆頭にプラスチックは環境側面から見れば悪者で、大量消費型社会の象徴のように言われてきた。
会社としても当然このままの業務形態ではいずれ終わりが来ると思い、廃棄物を骨材とするリサイクル製品の開発に乗り出す決心を固めました」。
本格的な開発に乗り出したのが96年。
各種産廃を年間トータルで1トンほど受け入れ、基礎技術の確立に努めた。
骨材の原料となる廃棄物は無料だが、原料となる廃棄物の種類や大きさの選別に始まり、骨材の比率、意匠やデザインの問題と、かかった手間と時間は半端ではなかったという。
こうして約2年間かけてリサイクル骨材を使った樹脂「エコロトップ」が誕生した。
「エコロトップ」で売上高の5割を目指す。
現在商品化されているエコロトップは、一般廃棄物焼却残さ、ガラス破片、アルミ粉を骨材とする3種類。
「焼却残さは、船橋市と越谷市の一般廃棄物を使っています。
焼却残さを骨材として利用するに当たっては、安全性を何より重視し、公的機関による分析調査を行ないました」。
商品展開は、車止めや造園用ブロックを始め、屋外用テーブルやイス、内装用タイル、時計や小物入れ(写真参照)まで幅広い。
「当社は長年インテリアやエクステリアを手掛けているので、リサイクル製品であることだけでなく、デザイン的にも優れたものを目指しました。
ですからブロックなどに使うだけでなく、身の回りの小物に使ってこそ一層価値も高まるのではないでしょうか」。
確かにエコロトップは一見したところ、とても廃棄物を骨材に使っているとは想像もできない美しさが特徴。
小物類は部屋に飾っておきたくなる製品に仕上がっている。
問題となるのがコストだが、今のところ少量生産ということもあり、板状タイルで比較すると通常は高級なもので1平米2万5000円程度のところ、4万円ほどかかってしまうという。
それでも既に壁のアクセント的に使うための引き合いは多く、より付加価値を付けた販売方法を開拓中だ。
こうした対策のひとつとして考えているのが、環境教育の教材としての販売。
骨材や樹脂、型などを一緒にして、ペン立てや小物入れなどを制作する工作キットとして販売する。
今夏販売の予定で、価格は1セット700〜800円程度を目指す。
「子供たちが自分たちの目で見える形でリサイクル素材を工作することで、環境に対する意識を深めるきっかけになれば幸いです」。
既に小学校低学年向けの社会科の教科書でエコロトップが紹介されていることもあり、この分野は期待できそう。
このほか、自治体が設置するPETボトル切断機や、ソーラーパネル付き野外用案内版など、環境関連製品にエコロトップを使っていきたいという。
今後の目標としては、エコロトップについては骨材にPETボトルを使ったものを商品化することと、骨材に加える樹脂を再生樹脂に切り替えていくこと。
安全性を最優先とした上で、できるだけリサイクル素材100%に近づけていきたいという。
「会社としては、現在の既存樹脂8:エコロトップ2という事業構成比を5:5にまで持っていきたい。
エコロトップは、当社が今後生き残っていくための命運を懸けた商品ということになります」。

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