Monday, October 7, 2024

地下水汚染の広がり-1999年12月

地下水汚染の広がり-1999年12月

日本国内の地下水汚染は、特に都市部や工業地帯で深刻化している。1998年の環境庁の調査によれば、埼玉県川口市や千葉県市原市の工業地帯で、六価クロムやトリクロロエチレンなどの特定有害物質が地下水から検出され、その濃度が環境基準の10倍を超える地域もあった。川口市の一部では、六価クロム濃度が基準値の0.05mg/Lを超え、0.5mg/Lに達する区域が確認され、周辺住民の健康被害が懸念されている。

市原市では、石油化学工業や金属加工工場が集中しており、企業の昭和電工やJXTGエネルギー(現ENEOSホールディングス)が排出する産業廃棄物が地下水を汚染していることが指摘されている。特にトリクロロエチレンは、飲料水に混入すると発がん性リスクが高まるため、周辺地域の住民からは不安の声が上がっている。

これを受け、環境庁は地下水の監視体制を強化し、特定地域での継続的な調査を実施している。また、企業に対しては、違法排水や不適切な廃棄物処理を行った場合、罰金や営業停止などの厳しい罰則を科す法改正が検討されている。市原市周辺の石油化学コンビナートにおいても、廃棄物処理の適正化を図るための技術導入が急がれている。

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