Sunday, October 13, 2024

沖縄近海におけるウミガメと海洋プラスチックごみの問題-2000年5月

沖縄近海におけるウミガメと海洋プラスチックごみの問題-2000年5月

日本や中国、韓国などの太平洋沿岸諸国から排出されたプラスチックごみが、北太平洋の海流に乗って広範囲に蓄積しています。この海域のプラスチックごみは約1,800万平方キロメートルにわたり、毎年約800万トンが海に流れ込んでいます。主にペットボトルや包装材、漁具が多く、分解されずに長期間漂流しています。

これらのプラスチックごみは、海洋生物に深刻な影響を与えており、特にウミガメが被害を受けています。2019年に沖縄近海で発見されたウミガメの胃からは、500個以上のプラスチック片が見つかり、主な原因はポリ塩化ビニル(PVC)やポリエチレン(PE)とされています。プラスチック片はさらに微細化してマイクロプラスチックとなり、魚や貝類などの体内にも取り込まれ、食物連鎖を通じて人間の健康にも悪影響を与える可能性があります。

プラスチックの自然分解には約400年を要し、2020年には世界の海洋に蓄積されたプラスチックごみの総量が1億5,000万トンに達すると予測されています。日本の企業である住友化学や東レは、プラスチック代替素材の開発やリサイクル技術の強化に取り組んでいますが、現在のリサイクル率は9%程度にとどまっています。

日本政府は「プラスチック資源循環戦略」を策定し、2030年までにプラスチック使用量の25%削減を目指していますが、依然として年間8,000トン以上のプラスチックごみが適切に回収されておらず、効果的な対策が急務となっています。

No comments:

Post a Comment