風を掴む者たち – インター・ドメイン株式会社の挑戦 - 1997年6月
インター・ドメイン株式会社は日本の風力発電市場において独自のポジションを築いてきた企業である。離島や山間部といったインフラの未整備地域を対象に独立電源方式の風力発電機を提供することで国内シェアの半分以上を占めるまでに成長した。1997年には年間売上が初めて10億円を超え八丈島クリーンアイランド構想の一環として20キロワットの風力発電機を設置するなど地域の持続可能なエネルギー供給に貢献している。
同社を率いる杉本信策社長はもともと商社に勤務していたが1989年に独立しインター・ドメイン株式会社を設立した。当初は海洋開発を志していたものの事業開始直後はヨットの輸入などを手がけることとなった。その過程で1992年に風力発電機の存在を知ることとなり海外の取引先から「欧州で売れている大型風力発電機を日本でも扱ってみないか」との提案を受けた。しかし当時の日本には数千万円数億円規模の大型風力発電機の市場は存在せずその需要のなさを目の当たりにしたことで小型の風力発電機に着目することとなる。
現在インター・ドメイン株式会社は独立電源方式の風力発電機を専門に扱い家庭向けの1230万円の小型機から数千万円規模の本格的なシステムまで幅広い製品を提供している。風力発電には自家発電して自己消費する独立電源方式と生産した電力を電力会社に売る売電方式の2種類があるが同社の製品はすべて前者に特化している。そのため主な顧客は市町村や自治体であり全国の独立電源方式の風力発電の半分以上を同社が手がけている。実績としては山形県の「風車村」の電気自動車補助電源愛媛県「風の博物館」の多目的電源愛知県のテーマパークの噴水電源北海道の水門小屋の室内灯電源などが挙げられる。
この事業の特徴は単なる製品販売にとどまらず設置要望を受けた段階から風況調査を行い最適な装置を選定し輸入設置までを一貫してコーディネートする点にある。海外製の風力発電機を採用することでコスト面の優位性を確保しつつ国内の厳しい風況条件にも適応できる技術を備えている。1997年6月には八丈島に5キロワットの風力発電機を4基設置しクリーンアイランド構想の一翼を担うこととなった。
インター・ドメイン株式会社は大手電力会社が手を出しにくい小規模電力市場において着実な成長を遂げており地域社会に根ざした再生可能エネルギーの普及に大きく貢献している。風を掴み未来を切り拓くこの企業の挑戦は今後も続いていくだろう。
No comments:
Post a Comment