Wednesday, May 7, 2025

ベンチャー訪問 米国技術を活用、バイオレメディエーション事業を展開

ベンチャー訪問 米国技術を活用、バイオレメディエーション事業を展開
株式会社バイオレンジャーズ代表取締役鴻野雅一社長は、米国のオープンヘイマー社と提携し、環境浄化技術「バイオレメディエーション」を用いた事業を展開しています。バイオレメディエーションは、微生物の力を利用して土壌や水質の汚染を浄化する技術です。従来の化学的・物理的な浄化方法と比べて、環境負荷が少なく、コストも低減できる点が特徴です。

鴻野社長は、1998年3月にバイオレンジャーズを設立し、本格的に事業をスタートさせました。米国オープンヘイマー社の「フォーミュラ」は、天然由来の好気性微生物を高濃縮した製剤で、油分解製剤として米国環境保護局に登録されています。この製剤は土壌中や水中の石油系化合物、有機塩素化合物の分解に効果を発揮し、価格は1キログラム当たり3000円~4万9000円です。

浄化方法と課題
土壌浄化の場合、まず地質や地下水の調査を行い、最適な浄化方法を選定します。製剤、水、栄養剤(窒素、リン、カリ)、酸素を直接注入する方法や、汚染土壌を移動して浄化する方法があります。一方、水質浄化では、製剤を直接水中に投入します。浄化には通常3カ月程度かかりますが、場所の形状や汚染の度合いにより異なります。

「簡単なようですが、これが難しい。場所の形状や汚染の度合いなどどれひとつとして同じ状況のものはありません」と鴻野社長は語ります。微生物の適切な使用方法や栄養剤の配合、酸素供給の管理など、多くの試行錯誤が必要です。また、微生物の活性を維持するための環境条件の維持も重要な課題となります。

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