遺される者たちに問いかける税のかたち ― 2025年5月
私は、税制と社会保障制度に対して、かねてから違和感を抱いてきました。たとえば森林環境税という言葉。美しい名目とは裏腹に、そのお金が実際にどれだけ森林保全に使われているのか、納税者の実感は乏しいのが現実です。あれは結局、地方交付の仕組みの一部であり、環境のためという理念は名ばかりに思えます。環境税全体にも、同じような違和感があります。私たちは「環境のため」と言われれば納得してしまいますが、その内実が本当に環境保全に貢献しているのか、あまりにも曖昧です。
消費税についても、公平な税と言われながら、実際には低所得層に重くのしかかる逆進性がある。働く者ほど損をする構造は、社会保険料にも通じています。私は、保険料の算定を、単に所得基準ではなく、リスクや財産に基づく仕組みに転換すべきだと考えています。生活習慣や持ち家、株などの資産を基に、負担のバランスを取る。そうした制度改革が必要です。
さらに、相続の場面にも注目しています。高額な医療費を公費でまかなって亡くなった人の財産が、そのまま遺族に渡る現状に、私は釈然としません。生前に使った医療費の一部を、相続時に清算する仕組みを設けることで、制度の持続可能性を高めることができるのではないでしょうか。今こそ、税と社会保障の本質を問い直す時だと、私は強く感じています。
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