2004年5月20日-シャープ・津久井・山形県・ペレットストーブ-エコ環境ニュースまとめ
1. ゴルフ場跡地の太陽光発電活用提案(2004年5月)
使われなくなったゴルフ場や工業団地の空き地を太陽光発電に活用する構想が提案された。日当たりの良さを生かしシステム導入によって再生可能エネルギーを生み出す。コストや制度面での課題もあるが補助金やグリーン電力証書制度市民投資による導入の可能性も示唆されており未利用地の再活用と環境保全を両立する先進的取り組みとして注目される。
2. 津久井の放牧で農地再生(神奈川県・2004年)
神奈川県津久井地区では放棄された農地の再生を目的に肉牛を放牧して雑草を除去するプロジェクトが進行中。省力化により高齢農家でも継続可能で害獣対策にも効果がある。徳島や島根でも同様の事例があり「島根型放牧」として広がりを見せている。里山の管理や地域活性化と結びつき持続可能な農業と環境保全の両立を目指すモデルとして注目されている。
3. 山形県のバイオマス活用(2004年)
山形県はバイオマス利活用を推進するため産学官連携の協議会を設立。県内では既にスイートソルガムを燃料に使った発電や使用済み食用油からのディーゼル燃料製造家畜排せつ物のたい肥化などが実践されている。2004年に策定された県のバイオマスビジョンを基に地場産業と地域資源を生かした循環型エネルギーシステムの構築が目指されている。
4. 北陸電力の木質バイオマス混焼実験(福井県・2004年)
北陸電力は敦賀火力発電所で石炭に代わる燃料として木質バイオマスを用いた混焼発電の実証試験を開始。製材所から出る木片や樹皮を石炭と混ぜ微粉砕して燃焼。混焼率は初期1%から段階的に引き上げ15日間で約700トン使用予定。CO₂排出削減に加え林業の副産物利用による資源循環型エネルギーの可能性を探る取り組みである。
5. 瀬戸内4県の広域エコタウン連携(2004年)
香川岡山広島愛媛の瀬戸内4県はエコタウン事業の相互補完と資源循環を目的に広域連携に乗り出した。県境を越えた施設機能の分担や共同研究によりリサイクル効率を高め新たな経済圏創出を目指す。直島の金属リサイクルや岡山の木質炭化施設広島のRDF発電などが対象。中四国サミットの議論を受け全国初の取り組みとして注目されている。
6. ペレットストーブの普及課題(2004年)
木質ペレットを燃料とするストーブは環境負荷が少ないが価格や利便性安全性の点で一般的な暖房器具に劣り普及が限定的である。製品改良と価格低減安全性能向上が急務。ペレットストーブはCO₂削減や森林保全に資するが一般家庭への普及には操作性やメンテナンスの簡便化カタログ表記の統一など消費者視点での改善が求められている。
7. 食品廃棄物リサイクル法の見直し(2004年)
2001年施行の食品廃棄物リサイクル法は2006年の見直しを控え排出削減率の引き上げや対象事業者の拡大が検討されている。事業系廃棄物のみならず家庭から出る生ごみも対象とする案もあり自治体の取り組み強化が期待される。再利用の促進により減量だけでなく循環利用を目指す構造へ転換される可能性がある。
8. 家電・容器包装リサイクル法の課題(2004年)
家電や容器包装リサイクル法は回収費用の多くを自治体が負担しておりメーカー責任が不十分との批判がある。今後の見直しで拡大生産者責任の明確化や対象品目の拡大回収から再資源化まで企業が担う仕組みの導入が議論されている。法制度の強化がリターナブル容器導入や排出抑制の動機づけとなるかが注目される。
9. 環境保険市場の拡大(2004年)
アメリカでは環境汚染賠償責任保険が年20億ドル市場を形成し土壌浄化などのリスクに備える手段として定着。日本では制度整備が遅れ普及が進んでいないが土壌汚染対策法や不法投棄責任の明確化によりニーズが高まっている。保険商品としては費用超過や汚染発見に備える新種の補償が登場し企業の環境リスク対策として注目を集めている。
10. 鉄道での燃料電池実験成功(2004年)
鉄道総合技術研究所が固体高分子型燃料電池を使った鉄道車両駆動の実験に世界で初めて成功。時速10キロまで加速可能な動力を確認した。水素エネルギーの活用と排出ゼロ運行に向けた実験で次世代の環境配慮型交通インフラとしての展望が開かれた。今後の実用化に向けて出力の向上や安全性の確保が課題とされている。
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