Friday, August 1, 2025

揺らぐ銀幕の神話――1971年、女優たちの光と影――1971年10月

揺らぐ銀幕の神話――1971年、女優たちの光と影――1971年10月

1971年、日本映画界はテレビの台頭により斜陽期を迎え、銀幕のスターたちもまた時代の波に翻弄されていた。有馬稲子や岸惠子といった正統派女優たちは、かつて理想の女性像としてスクリーンに輝いたが、その実像は葛藤と重圧の連続であった。岸は国際結婚を経てパリと東京を往復し、自由な表現者として注目されたが、同時に保守的な日本社会からの批判にもさらされた。有馬もまた舞台へと活動の幅を広げ、映画の表層的な美から内面的な演技へと挑んだ。当時の日本は学生運動の終息と公害問題が交錯する時代で、観客も「清純」ではない女優像を求め始めていた。桃井かおりや樹木希林のような個性派が頭角を現すのもこの頃である。スターシステムが崩れ、女優の生き方が問われる転換点に立っていた。

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