高温の刃で断つ有機塩素――岡山県邑久郡・2000年
1990年代末、日本では長年の保管・放置が問題化していたPCB(ポリ塩化ビフェニル)の処理をどう進めるかが社会課題になっていました。高濃度PCBは焼却の温度管理や副生成物対策が難しく、各地で安定保管が続く一方、専用の無害化技術と装置の確立が急がれていた時期です。そうした文脈のなか、岡山県邑久郡のゼネラル技研は"不活性ガス中で発生させた3000〜5000℃級のプラズマ炎"を用い、PCBなどの有機塩素化合物を気化・分解するプロセスを提示しました(アルゴン等の不活性雰囲気下で、①気化物をプラズマ炎で高速熱分解、②プラズマ化で焼却、③酸素混合気体と反応させ水素等と化学分解、という三つの方式に対応)。この発想は、極高温と短滞留で難分解性分子を切断し、処理の小型化・迅速化を狙うものです。実装
に向けては電力会社や重機メーカーと組み、装置開発に着手する段取りまで示されていました。
当時は「燃やすか、溶かすか、還元するか」という技術アプローチが競合し、光・触媒分解、アルカリ触媒のBCD法、水素還元法などが併走。プラズマ法は、高温一撃で反応を進められる点と、装置のモジュール化が図りやすい点が強みとされ、小規模分散処理への応用可能性が注目されました。規制強化と社会的要請が高まる直前の2000年、ゼネラル技研の試みは"保管の時代"から"処理の時代"へ移る端緒を示した地域発の技術潮流と言えます。
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