2018年12月29日土曜日

古紙の資源化率とExtended Producer Responsibility 環境ビジネスここがポイント 1999.11.15

だぶついて行き場のなかった古紙が動き出した。時には国内で処理できずに東南アジア諸国に輸出されていた古紙が地域によっては不足し始めた。再生紙の原料として古紙の資源化率がアップしたことが大きい。背景としては脱墨技術の向上によって資源として使用される古紙の量が大幅に増えたことや、再生紙以外の再生用品への用途が広がったことなどが挙げられる。古紙の回収業者は「やっとどん底を脱した。光が見えてきた。」と異口同音にいう。他の廃棄物の再資源化が加速している。 

資源循環を目的とした制度及びシステムが円滑に機能し始めたからだ。余剰古紙と同様に、事業として成立し得るだけの廃棄物が量として確保(回収)される一方、再生品化のアイテム数も増え、用途も多様化していることがその理由だ。年追うごとに拡大製造者責任(EPR=Extended Producer Responsibility)の考えが広がりつつある。これがさらに資源循環への追い風になる。拡大生産者責任とは①リサイクルを前提とした製品設計②製品に関する環境情報の公開③使用済の製品の回収責任④リサイクル及び処分コストの負担などによって構成される。上記の③と④の対応する制度として容易包装リサイクル法、家電リサイクル法がある。

 他に資源循環の取り組みとしてエコタウン事業、地域ゼロ・エミッションなどが各地で始まっている。こうした再資源化の波は廃棄物の入り口にあたる資源回収を円滑にさせ、出口にあたる再生品化も促進される。さらに都会におけるリサイクル商品の購入を望む緑の消費者の出現を考えると、廃棄物という言葉はいずれ死語になるだろう。廃棄物は資源という言葉に代わる。そこにリサイクルビジネスが拡大・定着する。

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