違法投棄と不法な産業廃棄物処理の実態（栃木県・1994年8月）

違法投棄と不法な産業廃棄物処理の実態（栃木県・1994年8月）

栃木県内では産業廃棄物の不法投棄事件が複数報告されており県警は廃棄物処理法違反の疑いで捜査を進めている。特に問題とされたのは処理業者が本来管理すべき安定型廃棄物を山林や河川敷に無届けで投棄したケースである。被害地では地元住民が悪臭や井戸水の変色を訴えており行政は後手の対応を余儀なくされている。

記事によれば業者は適切な処理施設を保有しておらず許認可は取得済みでも実質的な処理能力に乏しいペーパーカンパニーに近い存在だったとされる。背後には資金調達目的で名義を売買する行為も指摘されバブル崩壊後の経済混乱が違法処理の温床になったという分析もある。

住民側は被害の実態を記録し廃棄物の種類や数量を写真やサンプルで保存するなどの自衛措置を講じている。また環境団体が調査に協力し土壌・水質検査の専門家を招くなど法的責任の追及に向けた動きも見られる。