Friday, March 21, 2025

瀬戸内海沿岸部の廃プラスチック再利用計画-2001年3月

瀬戸内海沿岸部の廃プラスチック再利用計画-2001年3月

2001年3月

中国経済産業局は、瀬戸内海沿岸部で発生する廃プラスチックの全量を、地域内の製鉄所の高炉原料として再利用する可能性を探る中間試算を公表した。これは、地域の産業廃棄物処理の効率化と循環型社会の実現を目指す試みであり、調査によると同沿岸地域では100万トン強の廃プラスチックが発生していると算出された。

この廃プラを、高炉での製鉄工程における還元材または燃料として再利用することにより、化石燃料の代替や二酸化炭素排出量の削減、さらには廃棄物処理コストの抑制など、複合的な環境・経済効果が期待されている。廃プラスチックは通常焼却や埋立処分されることが多く、地方自治体にとって大きな負担となっていたが、このモデルにより地域内での資源循環が可能になる。

今後の取り組みとして、他の中央省庁の出先機関や自治体、製鉄業者と連携し、内航船を活用した廃プラ輸送実験なども進められる予定である。これは、海上輸送の利点を活かし、環境負荷を抑えつつ効率的な輸送体制を築くためのもので、実証データの蓄積と制度設計への反映が期待される。

この計画は、地域レベルでの環境産業政策の先進事例として注目されており、実現すれば他地域へのモデル展開も可能となる。経済産業省は、本調査の結果を基に、2001年度中に詳細な実行計画の策定を進める方針を示している。

関連情報:

JFEスチール株式会社では、廃プラスチックを高炉の還元剤として使用するリサイクル技術を開発。年間約15000トンを再利用し、約42000トンのCO₂削減に成功。
経済産業省の報告では、製鉄所での高炉原料としての廃プラスチック利用は、セメント原料化やRDF燃焼よりもCO₂削減効果が高いとされている。
このような高炉利用型リサイクルは、2000年代初頭より各地の製鉄所(特に瀬戸内海沿岸のJFEや神戸製鋼など)で段階的に導入されてきた。

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