Saturday, March 22, 2025

北海道石狩市 - 廃棄物海洋投棄問題 - 2001年7月

北海道石狩市 - 廃棄物海洋投棄問題 - 2001年7月

北海道石狩市付近の石狩湾で、廃棄物の不法海洋投棄が行われていた事件が2001年7月に発覚しました。環境調査の結果、廃棄された廃棄物は総量で約312トンに上り、うち約50トンが鉛やカドミウムを含む有害廃棄物でした。廃棄物には建設廃材、プラスチック片、金属くずのほか、処理が必要な化学薬品の空容器などが含まれていました。この投棄を行ったのは札幌市を拠点とする物流企業で、費用削減を目的に違法行為を繰り返していたとされています。

投棄が行われた石狩湾はアサリやホッケ、カニなどの漁場として知られており、地元漁業組合が魚介類への汚染リスクを強く懸念しています。海域のサンプル調査では、カドミウムが基準値の1.8倍、鉛が基準値の2.1倍に達する濃度が確認されました。このため、漁業への影響が深刻化し、一部の漁師が漁を一時的に中止する事態に至っています。

石狩市と北海道庁は、廃棄物の回収作業に約8000万円の予算を計上し、2023年末までに廃棄物を全て撤去する計画を立てています。また、海洋環境保護のための監視システムとして、石狩湾周辺に複数の水質センサーと監視カメラを設置する方針を示しました。この事件は海洋汚染の規模を浮き彫りにし、違法廃棄を防ぐための法規制の強化を求める声が高まっています。

物流企業の責任者には、約5200万円の罰金と3年の懲役が科される見通しです。この事件は地元住民や漁業関係者に深い影響を及ぼし、再発防止策として監視体制の拡充や厳罰化の必要性が改めて議論されています。

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