Tuesday, March 18, 2025

「環境技術の最新動向」- 2003年4月

「環境技術の最新動向」- 2003年4月

1. シャープの環境配慮型エアコン
シャープは、ウイルスやカビ菌を除去する「除菌イオン技術」を搭載したエアコンを開発しました。この技術は、室内の空気質を向上させるとともに、解体性に配慮した部品を使用し、作業時間を短縮することが可能です。特に、形状記憶合金を使用したねじは、加熱するだけで取り外すことができ、解体作業を効率化します。これにより、将来的には無人での解体も視野に入れた技術となっています。

2. 酸素富化膜搭載エアコン
松下電器産業が開発したエアコンは、外気から高濃度の酸素を取り込む「酸素富化膜」を搭載しています。この技術は、酸素分子のみを通す膜を使用しており、室内の空気中の酸素濃度を高め、クリーンな空気を提供します。ホコリや菌を除去する効果もあり、室内環境の改善に貢献しています。

3. 生分解性プラスチックの利用
ソニーは植物由来の生分解性プラスチックを使用したウォークマンを開発しました。このプラスチックは、廃棄後に微生物によって分解され、最終的にはCO2と水に変わります。これにより、廃棄物問題の解決に貢献し、電子機器の環境負荷を軽減することが期待されています。

4. リサイクルインフラの整備
循環型社会の形成に向けて、リサイクルインフラの整備が進められています。2003年度からは「埋め立て処分地再生事業」が開始され、市町村の一般廃棄物最終処分場に埋め立てられた廃棄物を減容化・リサイクルするための施設整備が進められています。これにより、最終処分場の逼迫が緩和される見込みです。

5. 廃プラスチック発電
廃プラスチックのリサイクルが困難な場合や最終処分場の不足により、廃プラスチックを燃料とした発電が拡大する見込みです。環境省は、産業廃棄物発電を支援し、2021年までに国内5カ所の発電施設を補助する計画を進めています。これにより、廃プラスチックが新たなエネルギー源として活用されることが期待されています。

6. 風力・太陽光ハイブリッド発電
大阪市北区に設置された風力と太陽光によるハイブリッド発電装置は、100%自然エネルギーで動作する広告塔を照らしています。この技術は、風力発電機とソーラーパネルを組み合わせたもので、蓄電された電力を使用してネオン広告を点灯させます。この装置は、今後も新たな広告塔に採用される予定です。

7. グリーン購入法の施行
グリーン購入法は、国の機関に対し環境に配慮した製品の購入を義務付けています。2003年には、燃料電池自動車など24品目が追加され、市場全体でのグリーン化が進展しています。この法律により、環境負荷の少ない製品への需要が高まり、企業は環境効率を重視した製品開発を進めるようになっています。

8. 環境配慮型冷蔵庫の技術
東芝が商品化した「ノンフロン光プラズマ鮮蔵庫」は、断熱材と冷媒に環境に優しい素材を採用しています。さらに、冷蔵庫内の温度管理やガス濃度の低減を行う制御装置を導入し、省エネ設計と環境関連物質の削減を実現しています。この冷蔵庫は、家庭でのエネルギー消費を大幅に削減することが期待されています。

9. 音楽機器の環境技術
ソニーは、植物由来の生分解性プラスチックを音楽機器に使用し、製品の環境負荷を軽減しました。この技術は、廃棄後に自然環境に優しく分解され、従来のプラスチックに代わる新たな素材として注目されています。さらに、耐久性を確保するために、三菱樹脂などと連携して開発が進められました。

10. 環境技術を導入した公共事業
日本の公共事業では、環境技術を導入した新しいタイプのプロジェクトが注目されています。エコロードやエコポートなどの事業では、環境への配慮が進められており、社会資本整備において環境保全と経済発展の両立が図られています。これにより、持続可能な社会の構築が進められています。

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