緑を育む循環の拠点 ― 大阪府和泉市の地域リサイクル基地（1997年以降）

緑を育む循環の拠点 ― 大阪府和泉市の地域リサイクル基地（1997年以降）

1997年以降、大阪府和泉市の南大阪造園は剪定枝を有効活用し、堆肥「リサイクルたい肥いずみ」を生産・販売する地域循環型の取り組みを展開している。背景にはバブル崩壊後の低成長期における環境意識の高まりと、1997年の環境影響評価法施行など、法制度整備の進展があった。

同社は廃棄物として扱われがちだった剪定枝を資源と見なし、地域の畜産農家の牛ふんとブレンドして高品質な堆肥を製造。地元農地や都市緑化の現場での利用を促進した。また、ヒートアイランド対策の一環として、屋上緑化用の軽量土壌の開発にも取り組み、都市環境と農村資源の橋渡し役を果たした。

このような官民連携型の地域リサイクル事業は、当時の日本における持続可能な社会構築の模索において、モデルケースの一つとされるようになった。