清純という夢の肖像――星由里子と昭和のまなざし(1960年代〜1970年代)
星由里子(1943–2018)は、昭和30年代から40年代にかけて、日本映画界に清楚で気品あるヒロイン像を与えた女優である。東宝第6期ニューフェイスとして1960年に映画界入りし、翌年の『大学の若大将』で加山雄三と共演。一躍、「理想の恋人」として国民的人気を得た。若大将シリーズは、高度経済成長を背景にした明朗な青春映画であり、戦後日本が夢見た豊かさと家庭の幸福像を、彼女の存在が体現していた。テレビが急速に家庭へ広まり、映画産業が斜陽に入っても、星はその品格と清らかさを失わず、ドラマにも活躍の場を広げた。清楚な顔立ちと控えめな所作は、観客の心に「理想の女性像」として深く刻まれた。映画という夢のなかに描かれた彼女は、まさに「幻のような清純」として、昭和のまなざしに咲き続けた。
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