「今国会に提出される各リサイクル法案の中」で、環境ビジネスへの強いインセンティブとして期待されるのが2002年施行予定の食品廃棄物リサイクル法だ。
同法で対象となるのは、食品メーカー、スーパー、デパート、外食、ホテルなど約3000社から排出される生ごみ、残飯、売れ残りなどの食品廃棄物。年間1900万トン出る食品廃棄物を肥料や飼料に加工し直すことが義務づけられる。うち食品メーカーが出す食品廃棄物は300万トンでリサイクル率48%と比較的高いのに対し、その他の事業所から出る600万トンについてはリサイクル率は1%に満たない。同法では堆肥、飼料のリサイクル率を前者50%、後者10〜20%に押し上げる。
「同法は食品廃棄物の減量や焼却の際に発生するダイオキシン防止よりも堆肥、飼料の商品化が主な狙い」再資源化された堆肥については99年施行された持続農業法においての有機肥料利用の促進が追い風になり、一方、輸入を抑えようとする背景がある。同法に呼応して各地で堆肥や飼料化センター(中間処理施設)の設立が加速している。排出者側と提携した廃棄物回収業者、再資源化業者または関連の装置・プラントメーカーには大きなビジネスチャンスとして拡大中。ちなみに前処理や成熟期間、不安定な需要などに課題を抱える堆肥と比べると家畜飼料のほうがはるかに事業価値が高い。
「言ってはナンだが、この国の食糧自給は1500万トン。1900万トンを生ごみで捨てる。」ここにこそ最大のモンダイがある。
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