Thursday, August 28, 2025

廃プラスチック焼却処理の拡大 ― 2007年前後の廃棄物政策と社会的背景および関連技術(2007年11月)

廃プラスチック焼却処理の拡大 ― 2007年前後の廃棄物政策と社会的背景および関連技術(2007年11月)

2000年代半ばの日本では、廃プラスチックの処理をめぐる方針が大きく転換していました。従来、プラスチックごみは燃焼時に高温が必要でダイオキシン発生リスクが高いとされ、多くの自治体で「不燃ごみ」として埋立処分されていました。しかし、最終処分場の逼迫が深刻化する一方、焼却炉の大規模改修が進み、ダイオキシン規制をクリアできる高効率炉が普及すると、状況は一変しました。

2007年当時の調査では、全国50都市のうち約7割が廃プラスチックを「可燃ごみ」として焼却処理に切り替えており、その数は急速に拡大していました。背景には埋立地の不足と焼却技術の進歩がありました。ストーカ炉や流動床炉は段階的な空気供給や高温二次燃焼室で完全燃焼を実現し、バグフィルタや活性炭吸着によりダイオキシン・水銀などを効率的に除去しました。これにより、かつて危険視されたプラスチックも安全に処理できると判断されたのです。

さらに高温高圧ボイラと抽気復水タービンの組合せにより発電効率を向上させ、排ガスコンデンサや吸収式冷凍機による潜熱・冷熱利用で総合効率を高めました。灰は磁選や溶融処理で金属回収・無害化を行い、資源循環を促進しました。PVCなどの塩素系プラスチックへの対応としては、耐食材の採用や燃焼条件の最適化で腐食やダイオキシン再合成を抑制しました。

容器包装リサイクル法によってPETなどのマテリアルリサイクルは継続しつつ、再生困難な廃プラはサーマルリカバリーに振り分ける実務的対応が広がりました。さらに、RPF(固形燃料)やセメントキルン利用といった代替ルートも併存し、地域産業と連動した処理体系が模索されました。

最終的に廃プラスチック焼却処理の拡大は、埋立延命、エネルギー回収、環境規制対応を同時に達成する統合解として位置づけられ、日本の循環型社会移行を支える技術的・制度的基盤となったのです。

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