タフコンシステム土を結び直す技術の夜明け（2008年12月）

タフコンシステム土を結び直す技術の夜明け（2008年12月）
タフコンシステムは建設現場で大量に発生する粘性の高い土を扱いやすく強度の安定した材料へ変換する土質改良技術である。扱いにくい粘性土は従来盛土材としての再利用が難しく含水比が高い場合は処分場へ運搬するしかなく環境負荷もコストも大きな負担となっていた。2000年代後半に入り建設副産物の再利用を促す国土交通省の方針や廃棄物処理法の厳格化によって現場内で土を再生し循環させる技術が求められるようになった。2008年前後は特に公共工事費の抑制や処分場の逼迫が深刻化し土砂改良技術の高度化が進む転換期であった。
タフコンシステムの核心は粘性土に固化材を均一に混合し短時間でハンドリング性と強度を確保する点にある。固結後の材料は圧縮強度が安定し道路工事の路体材や建築造成地の盛土港湾での仮設材など幅広い用途に利用できる。従来型の粘性土処理と異なり含水比の変動に左右されにくく施工管理もしやすい。施工機械がリアルタイムで撹拌状態や混合度を把握するため品質の均一性も高い。
WEB上でも国土交通省の建設副産物再資源化計画に関連する資料で粘性土改良の重要性が指摘されている。特に2008年度版の技術動向では現場内での発生土再利用を進める技術群の一つとして固結系処理が注目された。運搬車両の削減によるCO2低減処分場への依存度の低下周辺住民への負担軽減など環境と経済の双方に効果をもたらす点が評価された。
タフコンシステムは都市部の再開発工事が増えた時期の社会的要請と技術革新が重なって誕生した土の循環を実現する技術といえる。大量に発生しながらも扱いづらかった粘性土はこの技術によって再び建設の素材として息を吹き返し現場の未来を支える資源へ姿を変えた。